agmcalls.logとは?Acrobat更新後にPDFフォルダへ勝手に増えるログファイルの正体と対処法
Acrobat 26.002.21996 への更新後、PDFのあるフォルダに agmcalls.log と agmmemorystats.log が作られる現象を解説。ファイルの中身、発生条件、削除してよいか、回避策、管理者向けの一括削除方法までまとめました。
Adobe Acrobat を更新したあと、PDFを保存しているフォルダに見覚えのない agmcalls.log と agmmemorystats.log というファイルが増えていませんか?
削除してもPDFを開くたびに復活するため、不安に感じる方も多いはずです。この記事では、2つのファイルの正体、発生条件、削除してよいのか、そして現時点でできる対処法を整理します。
agmcalls.log とは?
agmcalls.log は、Adobe Acrobat / Acrobat Reader の描画エンジンである AGM(Adobe Graphics Manager) が出力する、診断用のテキストファイルです。

Adobe コミュニティで最初に報告した投稿者の調査によると、2つのファイルは次のような内容でした。
| ファイル名 | 先頭の記述 | 中身 |
|---|---|---|
| agmcalls.log | AGM Call Counts |
RasterPort、ColorSpace、PaintServer、Function、Image などのコンポーネント別の呼び出し回数、続いて CTTAG: で始まる行(CoolType のカウンター) |
| agmmemorystats.log | AGM shutting down |
AVGlobals、PMGlobals、RasterPort、PathPoints などオブジェクト種別ごとのメモリ割り当て表 |
つまり、描画処理の回数やメモリ使用量を数えただけのカウンター情報です。報告では、ファイルパスや文書の本文、ユーザーの個人情報は含まれていなかったとされています。
ファイル名の「agm」は Adobe Graphics Manager の略です。AGM.dll という描画用のライブラリがあり、今回の報告ではそのバージョンは 8.0.5.1 でした。
なぜPDFのあるフォルダに作られるのか
投稿者の見立てでは、AGM が終了(アンロード)するタイミングで、プロセスのカレントワーキングディレクトリ(作業フォルダ)に診断情報を書き出しているようです。
PDFをダブルクリックして開く、あるいはエクスプローラーのプレビューで表示すると、Acrobat はそのPDFのあるフォルダを作業フォルダとして動きます。そのため、PDFが入っているフォルダごとにログが作られていきます。2つのファイルは同じタイムスタンプになっており、PDFを開いた・プレビューした時刻と一致していました。
なお、これはあくまで利用者側の観察と推測です。Adobe が内部の動作を詳しく説明しているわけではありません。
発生が報告されている環境
Adobe コミュニティのスレッドで報告されている主な条件は次のとおりです。
- Acrobat のバージョン 26.002.21996(2026年10月6日に配信)
- Windows 11 25H2
- Acrobat Reader(32bit 版)でも発生したという報告あり
- 32bit 版 Acrobat を使う環境や、RDS(リモートデスクトップサービス)環境でも報告あり
- ネットワークドライブ上のフォルダで発生(ローカルフォルダでも起きるかは、最初の投稿時点では未確認)
PDFのプレビューハンドラー(pdfprevhndlr.dll)経由でも作られるとされています。
当サイトの Windows 11×Adobe Acrobat Proの互換性口コミでも報告されています。
危険なファイルなのか? 削除してもいいのか?
報告されている内容を見る限り、マルウェアではなく、**Acrobat の更新に伴う不具合(デバッグ・統計出力が有効なまま出荷された可能性)**と考えられています。コミュニティ上でも、デバッグ用のフラグが残ったままリリースされたのではないか、という推測が出ています。
- 中身はカウンター情報のみで、個人情報や文書の内容は含まれないという報告
- 環境変数やレジストリに AGM やデバッグログを有効にする設定は見当たらなかったという報告
- 削除しても Acrobat や PDF 自体には影響しないとみられるが、PDFを開くたびに再生成される
ただし、念のため、見つけたファイルは次の点を確認しておくと安心です。
- ファイル名が正確に
agmcalls.log/agmmemorystats.logであること - 中身が上の表のような
AGM Call Countsや*** AGM shutting down ***で始まるテキストであること - Acrobat を更新した時期と、ファイルの作成日時が合っていること
現時点でできる対処法
1. Acrobat を先に起動してから、PDFを開く
投稿者が見つけた回避策です。Acrobat を明示的に先に起動しておき、その後でPDFを開くと、ログは作成されなかったと報告されています。
逆に、Acrobat が起動していない状態でエクスプローラーからPDFをダブルクリックすると、ログが作られます。
2. Acrobat を最新版にアップデートする
Adobe の担当者は、原因を特定済みで修正を進めていると回答しています。その後、コミュニティマネージャーから 26.002.22031 へのアップデートが案内されました。
- Acrobat のメニューから「ヘルプ」→「アップデートの有無をチェック」
- 最新バージョンは Adobe の「Acrobat リリースノート」で確認
ただし、スレッドを確認した時点では、26.002.22031 にこの問題の修正が含まれているかどうかを Adobe が明確に確認した記載は見当たりませんでした。企業の管理者から「この更新で解決するのか確認したい」という質問も出ています。多数のPCに展開する場合は、まずテスト用の端末で、ログが作られなくなるか確認してから展開するのが安全です。
3. 作成済みのログファイルを削除する
すでに作られたファイルは、修正版が出ても自動では削除されない可能性があります(スレッドでも「過去に作られたファイルの掃除は管理者が手動で行うのか」という質問が出ていますが、明確な回答は確認できませんでした)。
不要であれば、手動で削除して問題ありません。
【管理者向け】フォルダ内のログをまとめて探す・削除する方法
ファイルサーバーやネットワークドライブで多数のフォルダに広がっている場合は、PowerShell で探すと効率的です。
まず、対象のファイルを一覧表示します(削除はしません)。
Get-ChildItem -Path "D:\共有フォルダ" -Recurse -File -Include agmcalls.log, agmmemorystats.log |
Select-Object FullName, Length, LastWriteTime
内容を確認して問題なければ、まず -WhatIf を付けて削除対象を確認します。
Get-ChildItem -Path "D:\共有フォルダ" -Recurse -File -Include agmcalls.log, agmmemorystats.log |
Remove-Item -WhatIf
意図したファイルだけが対象になっていることを確認してから、-WhatIf を外して実行してください。
修正版を全端末に展開する前に削除すると、展開前のPCがまたログを作るため、もぐらたたきになります。「修正版の適用 → 掃除」の順で進めるのがおすすめです。
よくある質問
Q. agmcalls.log を開くと何が書いてありますか?
AGM Call Counts という見出しのあと、描画に関する各コンポーネントの呼び出し回数が並んでいます。人が読んで役立つ情報ではなく、Adobe の開発者が性能やメモリを調べるための診断情報です。
Q. 個人情報が漏れる心配はありますか?
報告されている範囲では、ファイルパスや文書のテキスト、ユーザーデータは含まれず、カウンターのみとされています。ただし、これは利用者による確認結果です。気になる場合は、ご自身の環境で実際のファイルの中身を確認してください。
Q. 自分のPCにも出ている場合、Acrobat の設定で止められますか?
スレッドの最初の投稿者は、環境変数やレジストリなどに該当する設定は見つからなかったと報告しています。また、Adobe からも、設定でオフにする方法の案内は確認できませんでした。現時点では、先に Acrobat を起動しておく回避策と、修正版の適用が現実的な対応です。
Q. 修正版はいつ出ますか?
スレッドの時点では、Adobe は「修正は今後のリリースで提供される」と回答していました。最新の状況は Adobe のリリースノートと、元のコミュニティスレッドで確認してください。
まとめ
- agmcalls.log と agmmemorystats.log は、Acrobat の描画エンジン(AGM)が出力する診断用のカウンター情報
- Acrobat 26.002.21996 への更新後に、PDFを開いたフォルダに作られる不具合が報告されている
- 中身は呼び出し回数やメモリ割り当ての統計のみで、個人情報は含まれないという報告
- 削除は可能だが、PDFを開くたびに再生成される
- 回避策は「Acrobat を先に起動してからPDFを開く」こと
- 修正は Adobe が対応中。26.002.22031 への更新が案内されているが、修正の有無は確認が必要