Keychron B1 Pro レビュー|電池は1か月持つが、同時押しの入力抜けが弱点の薄型キーボード
Keychron B1 Pro は、約7,000円前後で買える薄型のワイヤレスキーボードです。MacBookのキーボードに近い薄さで、Bluetoothと2.4GHzドングル、有線の3つの接続方式に対応しています。
Keychron B1 Pro は、約7,000円前後で買える薄型のワイヤレスキーボードです。MacBookのキーボードに近い薄さで、Bluetoothと2.4GHzドングル、有線の3つの接続方式に対応しています。

私は実機を持っていて、いちばん驚いたのはバッテリー持ちの良さです。1か月ほど充電せずに使えています。一方で、複数のキーを同時に押すと入力が抜ける「ゴースト現象」 が出るのが、個人的には最大のデメリットです。
この記事では、実機での体験と公式スペック、海外レビューやユーザーの声をあわせて、B1 Pro の良い点と気になる点を整理します。
結論:B1 Pro はこんな人におすすめ
おすすめできる人
- 充電の手間を減らしたい人(バッテリー重視)
- 薄くて軽い、持ち運びしやすいキーボードがほしい人
- 1万円以下で、ブラウザからキー割り当てを変えられるキーボードがほしい人
- 文字入力の速度より、コンパクトさやコスパを優先する人
おすすめしにくい人
- 速いタイピングで、複数キーを同時に押しがちな人
- 暗い場所で使うため、バックライトが必須の人
- ゲームにも使いたい人
- 打鍵感にこだわりがある人
Keychron B1 Pro とは?基本スペック

B1 Pro は、メカニカルキーボードで知られる Keychron が出した、薄型のシザースイッチ式ワイヤレスキーボードです。公式サイトのスペックは次のとおりです(Keychron公式)。
- キー数:77キー(75%レイアウト)
- 接続方式:Bluetooth 5.2(3台切り替え)/2.4GHzドングル/USB-C有線
- ポーリングレート:1000Hz(2.4GHz・有線)/90Hz(Bluetooth)
- バッテリー:800mAh、最大1,200時間(1日5時間の使用で約8か月)
- サイズ:296×130mm、重さ425g
- 厚さ:手前側5.2mm/奥側14.5mm
- バックライト:なし
- NKRO(Nキーロールオーバー):非対応
- 対応OS:macOS/Windows/Linux
- カスタマイズ:Keychron Launcher(ブラウザ上で設定)
日本では、日本語配列(JIS)の「かな印字なし」モデルも販売されています。価格は確認時点で、ヨドバシ.comが6,930円、ツクモが7,480円(カラーによる)でした。米国での価格は約40ドルです。価格は店舗や時期で変わるので、購入前に各店で確認してください。
良かった点
バッテリー持ちが異常にいい

実機で使ってみて、いちばん満足しているのがバッテリーです。私の環境では、1か月ほど充電しなくても使えています。
公式は「最大1,200時間、1日5時間の使用で約8か月」とうたっています。この数値は条件つきなので、そのまま期待はできません。実際の持ちは、使用時間や接続方式、使い方で変わります。それでも、海外のレビューでは、数か月の断続的なBluetooth利用で、Windowsの表示が残量60%だったという報告があります。バックライトがなく、消費電力が小さいことが効いているとみられます。
薄型のワイヤレスキーボードでは、バッテリーはよく比較される弱点です。B1 Pro は、その点で明確に強みがあります。
価格が手頃
B1 Pro は約7,000円前後で買えます。米国のレビューでは、Logicool MX Keys Mini(約100ドル)やApple Magic Keyboardと比べ、半額以下の価格で近い機能が使えると評価されています。Amazonなどで買える「ワイヤレスの薄型キーボード」の中では、機能面で見劣りしません。
接続が多彩で切り替えが簡単
B1 Pro は、次の3つの接続に対応しています。
- Bluetooth(最大3台を切り替え)
- 2.4GHzドングル
- USB-C有線
本体側面のスイッチで、Bluetooth、2.4GHz、有線を切り替えられます。Windows用とMac用のレイアウトも、別のスイッチで切り替えられます。パソコンとタブレット、スマホを行き来する人には便利です。
Keychron Launcher でカスタマイズできる
キー割り当ての変更やマクロ設定は、ブラウザ上の「Keychron Launcher」で行います。専用ソフトのインストールは不要で、付属のUSB-Cケーブルでつなぐだけです。Logicoolの専用アプリやApple純正キーボードより、カスタマイズの自由度は高いと評価されています。Fnキーの位置を変えたり、メディアキーの割り当てを変えたりもできます。
付属品が充実している
海外のレビューによれば、本体のほかに、シリコンカバー、2.4GHzドングル、USB-A→C変換アダプター、USB-Cケーブルが付いています。シリコンカバーには、汚れや刻印のすり減りを防ぐ効果があります。
気になった点
同時押しで入力が抜ける「ゴースト現象」
ここが、B1 Pro を使っていていちばん気になるデメリットです。
ゴースト現象とは、複数のキーを同時に押したときに、キーボードが一部のキー入力を認識しない現象です。B1 Pro では、この現象が部分的に発生します。
補足:用語について 厳密には、「同時押しで一部のキーが認識されない」現象は、キーボードの分野では「キーブロッキング(マスキング)」と呼ばれます。「ゴースト(ゴースティング)」は、押していないキーが入力される現象を指すことが多い用語です。ただ、日本では前者も含めて「ゴースト現象」と呼ばれることが多いため、この記事でもその呼び方を使います。
日本語入力で困った実例
私が困ったのは、日本語のローマ字入力です。たとえば、H・O・U のキーを同時に押すと反応しません。
このため、「方法」(houhou)と打つときに、キーをしっかり離してから次を押す癖をつけないと、「ほほ」 になってしまいます。「う」が抜けるのです。
ローマ字入力は、子音と母音が連続するので、指が重なりやすい入力方式です。速く打つ人ほど、この現象に当たりやすいと感じます。
公式スペックでも「NKRO非対応」
Keychron 公式のスペックには、「NKRO support: No」と書かれています。NKRO(Nキーロールオーバー)は、何個のキーを同時に押しても認識する仕様です。B1 Pro はこの仕様に対応していません。つまり、この現象は、構造上ある程度は避けられないものです。
海外のユーザーからも同様の報告
Redditなどのユーザー報告でも、似た症状が挙がっています。
- 「MY」の組み合わせで抜ける
- T・R・E を素早く打つと E が入力されない
- 速く打つと、文字が抜けたりラグが出たりする
一方で、「速度重視の打ち方でも問題ない」という声や、「自分の環境では特に不満はない」という声もあります。報告される組み合わせや頻度は、人や個体によって違うようです。
また、あるユーザーは、有線接続でも2.4GHz接続でも症状が出たと書いています。接続方式を変えても、完全には避けられない可能性があります。
対処法
- キーをしっかり離してから、次のキーを押す。 私はこれで避けています。
- 速いタイピングが多い人は、購入前にNKRO対応の製品も検討する。
- 症状が極端に多い場合は、個体差や初期不良の可能性もあります。購入店や公式サポートに相談してください。
なお、この記事の作成時点で、ファームウェアの更新で解消したという情報は確認できませんでした。
バックライトがない
B1 Pro にはバックライトがありません。暗い部屋や飛行機の中でブラインドタッチができない人には不便です。ただし、バックライトがないことが、バッテリー持ちの良さにつながっている面もあります。
矢印キーが小さい・打鍵感は好みが分かれる
コンパクトなレイアウトのため、上下の矢印キーは高さが半分です。また、シザースイッチ特有の浅いストロークなので、しっかり押し込む打鍵感が好きな人には物足りないかもしれません。レビューでは、キーの音や感触が「安っぽい」「ふにゃっとしている」という声もあります。逆に、「静かで疲れにくい」という評価もあります。
Bluetooth接続の反応
公式スペックでは、Bluetoothのポーリングレートは90Hz、2.4GHzと有線は1000Hzです。速い入力や反応を重視するなら、Bluetoothより2.4GHzか有線のほうが有利です。ユーザーレビューにも、Bluetooth接続で反応が鈍いと感じたという声があります。
ゲームには向かない
海外のレビューでは、B1 Pro でのゲームは推奨されていません。キーストロークが浅く、無線接続が速度重視ではなく、同時押しの制約もあるためです。ゲーム用途なら、NKRO対応の製品を選んでください。
競合との比較:MX Keys Mini・Magic Keyboard
B1 Pro が競合するのは、Logicool MX Keys Mini や Apple Magic Keyboard のような薄型キーボードです。
- 価格:B1 Pro が最も安く、米国では半額以下です。
- バックライト:MX Keys Mini にはありますが、B1 Pro にはありません。
- カスタマイズ:B1 Pro はブラウザ上で柔軟に設定でき、この点では優位です。
- バッテリー:B1 Pro は長持ちです。
- 打鍵感・作りの精度:MX Keys MiniやMagic Keyboardのほうが上だと感じる人が多いようです。
同時押しの入力抜けについては、MX Keys でも特定の同時押しで抜けるというユーザー報告があります。B1 Pro だけの問題ではない可能性はありますが、B1 Pro には公式にNKRO非対応と書かれている点は押さえておいてください。
よくある質問
Q. B1 Pro のバッテリーはどのくらい持ちますか?
公式は最大1,200時間(1日5時間で約8か月)です。私の環境では、1か月ほど充電せずに使えています。実際の持ちは、使用時間や接続方式で変わります。
Q. 日本語配列(JIS)はありますか?
あります。日本語配列の「かな印字なし」モデルが国内で販売されています。購入前に、配列の表記を確認してください。
Q. MacでもWindowsでも使えますか?
使えます。macOS、Windows、Linuxに対応していて、本体のスイッチでMac用とWindows用のレイアウトを切り替えられます。
Q. ゲームに使えますか?
おすすめしません。キーストロークが浅く、NKRO非対応で、同時押しの制約があるためです。
Q. ゴースト現象は直せますか?
公式スペック上はNKRO非対応なので、根本的に直すのは難しいと考えられます。確認できた範囲では、ファームウェア更新で解消したという情報は見つかりませんでした。私は、キーをしっかり離してから次を打つことで避けています。
Q. バックライトはありますか?
ありません。
まとめ:バッテリーと価格は魅力、同時押しは要注意
Keychron B1 Pro は、電池持ちと価格、携帯性で強みがあるキーボードです。約7,000円前後で、ブラウザから設定を変えられる点も魅力です。
一方で、私が実機で感じたデメリットは、複数キーの同時押しで入力が抜けるゴースト現象です。「方法」が「ほほ」になるので、キーをしっかり離す癖が必要でした。速いタイピングが多い人や、ゲームにも使いたい人には、向いていません。
「サブキーボード」や「持ち運び用」として、コスパ重視で選ぶなら、有力な選択肢になります。逆に、メインで長時間、速く打つ人は、購入前にこの弱点を理解しておきましょう。